失われつつある海の豊かさ

私たちに恵みと豊かさをもたらしてくれる海。海は地球の表面の約71.1%を占め、面積は約3億6282万kmで、陸地(約1億4724万km 2 )の約2.46倍だとされています。そして、いまだ解明されてない不思議な現象などもあり、特に深海については未知の部分が95%とたくさんの謎があります。

 

そんな魅力的で素晴らしい資源をもたらしてくれる海ですが、近年海の環境が危機にさらされ、その豊かさが半減しつつあるとされています。WWF(世界自然保護基金)は、2015年9月に『生きている地球レポート<海洋編>(Living Blue Planet Report)』の中で、海に生きる哺乳類、鳥類、爬虫類、そして魚類の生息数がここ40年間でおよそ半減していると報告しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

具体的には、マグロやサバ、カツオなどが過去40年間で74%減少しており、サンゴ礁や海草藻場に生息する魚類が過去40年間で34~70%減少しているそうです。さらに、現状のまま地球温暖化が進行すると、海水温の上昇などの複合的な要因により、2050年には、地球上のサンゴ礁が全滅する可能性もあるそうです。

 

これらの主要な原因は、私たち人類が短期間で、魚の繁殖ペースを上まわる速さでの漁獲を続け、稚魚の成長に必要な海の自然を破壊し続けていますところにあります。そして、ゴミの投棄や排水の垂れ流しなどによる海の汚染も、水資源に深刻な影響を与えていると言えます。これは私たち日本においても身近な問題だと言えます

 

昨年2023年夏、京都市のある私立水族館で、屋外に置いていた水槽の魚類がほぼ死んでしまったということがありました。水槽内を調べると、タバコの吸い殻が1本出てきたということ。このタバコの吸い殻が原因だった可能性があるそうで、同水族館では一時、展示を中止することにしたそうです。

 

実はタバコには7000種類以上の有害な化学成分が含まれ、吸い殻1つで水100リットルを汚染するのだとか。毎年、世界で約6兆個のタバコの吸い殻が生まれ、そのうちの3/4である4兆5000億個がポイ捨てされ、日本の場合、年間1000億本以上がポイ捨てされているそうです。つまり、タバコのポイ捨てだけでも膨大な量の水が汚染されていると言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来世代に美しい自然、豊かな資源を渡していくためには、一人一人が少し意識をすることが大切。それだけで、美しい海を遺し続けていくことができるはず。筆者の故郷である鹿児島県は南北600キロの海を有し、黒潮が流れ、浅海から深海、そして日本に2カ所しかない暖海の島しょ域漁場があります。年間降水量も多く水に恵まれた県ですが、この自然は当たり前に享受できるものではなく、先人たちが育んでくれたお陰と思うところです。

 

水の国・日本の美しさを未来に引き継ぐことができるよう、今の私たちができることを実践していきたいと、桜島を背景とした錦江湾を眺めながら改めて感じました。

(和田直也)

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