●全国のウミガメ情報(上陸・産卵)
奄美新聞社(8/21)
ウミガメ産卵地を守ろう / 【徳之島】ウミガメ産卵地をきれいに――。
徳之島町商工会、徳之島ライオンズクラブ、徳之島掃除に学ぶ会の3団体は初の合同取り組みとして18日、
同町諸田海岸(別名・シンデ浜)のボランティア清掃に汗を流した。
ウミガメが安心して上陸産卵できる海浜環境、快適な海水浴場の環境保全を―など初の合同開催をアピール。
同町商工会の青年部員を中心に18人、ライオンズクラブから5人、掃除に学ぶ会から3人の計26人が参加した。
炎天下、参加者たちは駐車場から砂浜まで約20mの急こう配を体力勝負で往復。
手分けして拾い集めた漂着ごみはボランティア袋で45袋分。
ほかに、漁具の大型ブイ30個や係留用大型ロープなども汗だくで回収。
資源物リサイクルの分別作業にも力を合わせた。
町商工会の西田裕二会長はあいさつで
「漂着ごみは尽きないが、一つ拾えば、一つきれいになるとの気持ちが必要」。
ライオンズクラブの金子稔会長は「漂着ごみの多さには驚いた。
今後は、団体会員の拡大も図り、ボランティア清掃活動を推進していきたい」とアピール。
ちなみに県希少野生動植物保護推進員・日本ウミガメ協議会員の池村茂さん(同町)によると、
同海岸へのウミガメの産卵上陸回数は昨年が10回、今年はこれまで4回確認。
「オカヤドカリたちも含め島内の産卵最適地の一つとなっており、
環境保全への清掃活動は大変ありがたい」と話していた。
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紀伊民報より(8/22)
ウミガメ産卵、過去最少 専門家「周辺環境見直す必要」、
和歌山県みなべ町の千里の浜 / 和歌山県みなべ町山内の千里の浜でウミガメの保護調査をしている
NPO「日本ウミガメ協議会」とみなべ町教育委員会は、
今季のアカウミガメの産卵状況をまとめた。産卵回数は20回で、
調査を始めた1981年度以降で最も少なかった。
専門家は「アカウミガメが上陸しにくい環境になっていないか、精査する必要がある」として、
強い危機感を抱いている。
千里の浜は全国有数のアカウミガメの産卵地で、本州では最も産卵密度が高い。
5月下旬から8月上旬にかけて産卵があり、
毎年この時季、協議会や町教委、地元の有志でつくる「みなべウミガメ研究班」や
若者でつくる「青年クラブみなべ」のメンバーが、上陸回数や産卵回数を調査している。
今季は8月10日まで調査を続けた。
協議会によると、今季は6月3日に初めて上陸し、同月10日に初めて産卵を確認した。
月別にみると、上陸回数は6月が30回、7月が34回、8月(10日まで)が3回の計67回。
産卵回数は6月が6回、7月が13回、8月(同)が1回の計20回。
特に8月が上陸回数・産卵回数とも少なかった。
産卵回数を年度別にみると、1990年度に328回、翌91年度には過去最多の348回あったが、
その後に減少傾向となり、98年度にはこれまで過去最少だった29回まで落ち込んだ。
小さな増減を繰り返した後、2012、13年度にはいずれも300回近くまで回復したが、
翌年から再び減少傾向が続いている。
ここ5年間では、20年度63回、21年度30回、22年度49回、23年度31回だった。
町教委の担当者は「ここ数年、砂浜が痩せてきているのも産卵回数が少ない要因の一つではないか。
上陸した場所によっては、卵を産める深さまで十分に砂を掘ることができずに海に戻っているようだ」と話す。
協議会の会長で国際自然保護連合ウミガメ専門委員会委員の松沢慶将さんは
「アカウミガメが光を極端に嫌うのはよく知られている。砂浜が痩せてきているほか、
アカウミガメの上陸自体を妨げている要因として、周辺の光の環境があるのではないか。
海に近い道路沿いの街灯が、蛍光灯から強力な発光ダイオード(LED)に替わっているのも見た。
これまで地域で守ってきたウミガメの産卵地をこれからも守り続けるためにも、
砂浜の後背地にある建物や街灯など周辺の環境を点検し、
可能な限り配慮する必要があるのではないか」と話している。
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以上となります。
今後ともウミガメの調査・研究結果をもとに
効果的なウミガメの保全を考えていきたいと思います。
#日本ウミガメ協議会 #SDGs #楠原海事法務事務所