皆様、いつもお疲れ様です。夏の暑さも和らいで、だんだんと涼しくなり過ごしやすい季節になって参りましたね。この9月はあまり知られていないイベントが多く、知れば「なるほど」と思うような風習も少なくありません。先人たちの遺した暮らしの知恵を紐解いて、趣深い秋の時間を過ごしてみるのもまたいいかもしれませんね。
実は9月9日には「重陽の節句」というものがあります。これは「大人の雛祭り」ともいわれる年中行事です。昔は3月3日以外にもこの時期に虫干しを兼ねて雛人形を出していたとされます。今ではだいたいこの日を過ぎてから「衣替え」をされる方が多いのではないでしょうか。自分自身の秋・冬物衣類を新しくおろすことによって、冬支度しておけば安心ですね。
9月にはもう一つ大切な日があります。それが「二百二十日」。これは雑節のひとつであり、立春から数えてちょうど220日目にあたり、古くは農家の“三大厄日”とされてきました。この時期は、台風の襲来に見舞われたり荒天続きになることが多いため収穫を控えた農作物が被害に遭わないよう警戒されてきたとされています。海も荒れやすく、海事に関わる方にとっても天候が読みにくい時期だといわれます。そのため、仕事や暮らしの中でも気をつけるべく、災害への対策や備蓄の確認をしておきましょう。きっといざという時に安全に行動することができるはず。
そして9月は「彼岸の入り」も訪れます。2024年の彼岸の入りは9月19日で、秋のお彼岸(2024年は秋分の日の9月22日を中日とした7日間)に入る日のことを指します。「暑さ寒さも彼岸まで」というように、この日を境に涼しく過ごしやすくなっていくとされています。このタイミングに、昔の人は小豆など厄を除ける“赤いもの”を生活に取り入れていたそうです。小豆を使った「おはぎ」を食べて、新しい秋の始まりに英気を養うと良いかもしれませんね。古来からお餅は、特別な力を持つ食事として“ハレの日”に用意されてきました。縁起を担いで2024年後半を安心円満に過ごす準備をしておきたいものですね。
この時期はちょうど夏から秋へと移っていく「季節の変わり目」です。私たちが体調を崩しやすいのは、実は暑すぎたり寒すぎたりするシーズンではなくちょうど環境が変化するタイミング。この9月のはじめは自分の暮らしを振り返ってみて、心に余裕を持つことからスタートしてみてはいかがでしょう。きっとそれがひいては冬への準備をするモチベーションになり、心身ともに健全に新しい季節を迎えることにつながるはずです。
(和田直也)
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